2000/08/03(木)晴
マイク購入
いい加減ちゃんとギターソロのデモテープを録らなければ、と思っていた。
どうも昔から自分の演奏を記録に残すという事には無頓着で、あまり真面目に考えたことが無かった。
機材は妻(ベーシスト)の持ち物も入れるとMTR,MD,DAT,各エフェクターなど一応は揃っている。ソロだし、やる気になればいつだって出来ると思いダラダラと先延ばしにしていたのだ。
バンド時代には練習スタジオでテープレコーダーで録ったのを最初のデモにして、ライブハウスに出た時にミキサーの人に頼んでライン録音してもらい、それを次のデモにする、という感じでやっていた。この頃はオリジナル曲のメロディやアイデアさえわかってもらえれば良かった。
しかしアコギのソロでは、細かい音色の使い分けやタッチのニュアンスなど、かなりデリケートな部分まで聴いてもらいたくなる。となると、やはりある程度いい音で録らねばならない。面倒くさがりの私には頭の痛い問題だ。
いろいろ試行錯誤した結果、結局DATかMDで生録りするのが一番アコギらしさが伝わり、かつ手っ取り早いだろう、という結論に至った。しかし、いざやってみると音色がイマイチで、どうもカシャカシャしているというか、実の無い音になってしまう。
そこで、他の人はどうしているのだろう、とインターネットで調べてみたら、こんなページを見つけた。ガットギターのソロのサウンドファイルが載っており、聴いてみるとこれがとてもいい感じである。MDを使った生録りだ。親切な事に使用機材まで書いてあったので、さっそく真似してSONYのECM-MS907というマイクを購入した(吉祥寺のLAOXで8.000円)。
さきほど試しにアパートの部屋で録音してみたのだが、これが非常にいい。今まで使っていたマイクとはえらい違いで、実際こんなにも綺麗な音で録れるとは思わなかった。
今頃なに言ってるんだ、と苦笑する人もいるだろうが、とにかくこういう事に関しては私は全く無知だったのである。それゆえこの感動は大きかった。
後はいい録音場所を探さなくてはならない。自宅アパートは居間兼寝室兼仕事場なのでどうもけじめがつかず気合いが入らない。近所にも気を使うし。スタジオを使うのがまあ現実的だが、もっと音の響く所で録ってみたい。
鍾乳洞の中なんか使えたら最高なのだが。涼しいし、暗くて集中できそうだ。あるいは銭湯とか、トンネルの中とか。土管の中という手もあるな。
HPに載っているウクレレネタのサウンドファイルはDAT+今まで使っていたマイク(*)という組み合わせで生録した。せっかくデジタル録音しても、マイクが悪いと台無しになるという見本である。いずれ録り直したいと思っている。
ギターソロのデモ演奏も今月中には何とか載せたいと思っているので、興味のある方は聴いてみてください。
(*)SONYのECM-717とAIWAのCM-TS22。本当は普通に十分使える良い製品である。
2000/08/06〜08(日〜火)晴
一人旅をした
楽譜の仕事がいきなり空いたので、3日間「青春18きっぷ」でひたすら電車に乗りまくる、という旅行をしてきた。
33歳既婚男性のやる事とは思えないが、こーゆーのやってみたかったのだ、仕方がない。
1日目→移動日。2日目→移動日。3日目→移動日。
行き先は、名古屋、京都、大阪。電車に乗ってから決めた。京都では半日ほどまともに観光したが、後はほとんど通り過ぎるだけであった。大阪なんて滞在時間45分。
それでも京都では清水寺の下を流れる沢で地元の少年と一緒に沢蟹を採ったし、大阪では駅の近くのお好み焼き屋で、パチパチパンチの人にそっくりなランニング姿のおじさんと話をした(この人の他たった45分の間にランニング姿のおじさんを3人見た。しかもみんな扇子で顔を扇いで歩いていた)。名古屋ではミゼットの街娼やおばあさんのポン引きを見ることが出来た(あれが「遣り手婆」ってやつか?ちがうか)。
何よりも、合計24時間ほどただひたすら電車に乗ってぼ〜〜っとできたのが良かった。中央本線で山の中を通ったので景色も良かったし。
3日間車窓から外の風景を見ているだけで退屈しなかった。
音楽も聴かなかったし本も全く読まなかった。ここまで何もしないでいられる自分にちょっと感動した。
唯一辛かったのは、山梨から長野の山の中を通っている時、「栃歩協」という文字入りのお揃いの帽子をかぶった老人グループと乗り合わせた事だった。ざっと100人以上はいただろうか。
お年寄りは別に嫌いじゃないしどうしようもないほど気分を害したわけでもなかったが、やっぱりあんな所で北関東なまりは聞きたくなかったな。
電車の本数が少ないので仕方のない事とはいえ、これが一斉にたった2両の電車に乗り込んできたから大変だ。おまけにこの人達大きなダミ声でしゃべるわ弁当は食い散らかすわゲップはするわプチトマトのパックを取り出して食うわ狭い車内で屈伸運動はするわ、もう無敵の集団であった。
人は集団になるとこうも傍若無人になれるものかと、大いに感じ入ったものである。ひとりひとりはきっといい人なのだろうが。