2001/12月
井の頭報告
 

 長い間、更新をさぼってしまった。 とりあえず、憶えている出来事だけ。

2001/12/??
切れ者眼鏡を掛けて井の頭公園へ。しかしまたも見知らぬ人(おばさん)に話しかけられる。ただし今回は道を訊かれたわけではなく、誰かと勘違いされて一方的にすごい勢いで何事かを謝られ、この人はそのまま去って行ってしまった。

2001/12/24(月)
松本健一さんのワークショップで知り合った井戸田さんに世話してもらって、久しぶりにギターソロの営業をやる。場所は中野(沼袋)の中華料理店「錦龍」で、30分ずつ2ステージ演奏した。オリジナル中心だったが一番受けたのはやはり「Silent Night」。1ステージ目、家族連れのお客さんがいて、1曲終わるごとにおばさんが「ほら、ちゃんと拍手してあげなきゃ駄目でしょ」と子供に言っているのが聞こえ、脱力した。休憩時間にお客さんの老夫婦がこちらにやってきて、演奏をほめてくれた上に「楽譜代に」と言っておひねりまでくれた。感激。2ステージ目はTom君と井戸田さんが来てくれたが、他の客は若いカップル1組だけ。ウクレレソロから入ったが、ギターに持ち替えたとたんにミスを連発してしまった。やっぱり気が緩んでしまったか。いかんいかん。曲順を急遽変えて一番簡単な曲を弾いて何とか持ち直し、最後にまた「Silent Night」を弾いて終わる。錦龍自慢の料理に舌鼓を打ち、ギャラも頂いて気分良く帰った。多謝。

2001/12/30(日)
例によって年末の井の頭公園はゴミだらけ。「ドナテローズ」横の階段で若い女性二人に呼び止められ、カメラのシャッターを押すように頼まれる。私はカメラの無い家庭に育ったのでいまだに写真は撮るのも撮られるのも苦手である。案の定、シャッターと間違えて違う所を何度も押してしまい、最後にやっと小気味よい音がしてシャッターを切ることが出来た。女の子は多少ひきつりながらもお礼を言ってくれたが、あれ、きっとぶれてると思うな。

2001/12/31(月)〜2002/01/01(火)
「バー鳥地下」としてBin Sparkが営業していたので、Tom君と二人でお邪魔して年越しのカウントダウンをした。昨年中は本当にビンスパさんにはお世話になりました。今年も色々お世話になると思います、どうぞよろしく。
帰りに松庵神社で初詣をした。甘酒と福豆をいただく。





2002/01/14(月)晴
手帳を買いに行く
 

 ここ10年ほど、手帳というものを持ち歩いていなかった。 ほとんど家から出ない生活が長く続いていたため、必要無かったのだ。たまに予定が入ると、部屋に張ってあるカレンダー(月末になると新聞に折り込まれてくるやつだ)に直接書き込んでいた。そんなので充分事足りていた。
 ところが、今年は何かと忙しくなりそうで、出先でバンド関係者などとスケジュール確認する機会が、今の所無いがこれからありそうなので人並みに手帳を使おうと思い、吉祥寺まで買い物に出かけた。

 今日はどういう訳か成人式という祝日になっているので(勝手に法律作って祝日動かすなよ)、吉祥寺の街は観光客(そう呼んでしまっていいと思う)でごった返していた。まあでもこの街は渋谷みたいにそれほど殺気立った雰囲気がないのが救いである。地元民のおじさんも、一目で県民とわかる少女達も、のんびりモードで歩いている。

 ロンロンとソニープラザとロフトに行ったが、もうすでに売れ残りのしょぼい物しか売っていなかった。やっぱりタイミングが遅すぎたか。普通の人は手帳くらい年が明ける前に買ってしまうらしい。何となく世の中から取り残されているような、さみしーい気持ちになった。
 パルコの書籍売り場に行ってみたら、「2002年手帳&カレンダーフェア」というのをまだやっていて、ありとあらゆる実用的な手帳が多数並んでいた。とりあえずここで選ぶ事にする。デザイン的に洗練されたのは見当たらないが、まあ仕方あるまい。
 しかし普段気にした事もなかったが、世の中には実に様々な種類の手帳があるものだ。サイズはA5くらいの大きなものから手のひらにすっぽり入る小さなものまで、形も妙に細長かったり正方形だったり。中身を見てみると、例えば「VIP手帳」なんてのは日曜日の欄が他に比べてやけに狭かったり、「プライベートを大事にする貴方へ」なんて謳い文句の付いているのは逆に土、日の欄が他の曜日の倍くらいスペースを取っていたりして、それぞれ商品としての差別化を図っている。バインダー形式や裏表紙に小さな鏡の付いたものまである。
 お、これかっこいいかなと思って見てみると字が全て英語で、帯に「米、英、仏国の祝日を記載」なんて書いてあるのもあった(いらんわ!そんなもん)。「心に余裕を持ち、エコロジーを大事にする貴方に」というエコロジー手帳は、白地の再生紙を使い、表紙を含めすべてのページに花柄のプリントが入っていた。まあ、確かに無地よりは何となく余裕がある雰囲気はするが。
 一番笑ったのが「竹村健一のこれだけ手帳」である。何の変哲もない小さな手帳なのだが、表紙にはちゃんと「これだけ手帳」という文字が入っている。そして週間スケジュール全ページの欄外に、例えば「人に好かれる人間になるためには、云々」などと、竹村先生の有り難い人生訓が書かれている。ページ幅いっぱい、三行くらい使っているので結構な長さだ。ビジネスマンというのは毎週毎週こんなの読まなくちゃいけないのか。こういうのを買うオヤジが得意になって部下に受け売りの説教を垂れるのが、目に浮かぶようだ。
 しかし、結局私の欲しかったもの、すなわち「このさい思い切り手帳然としたもの、表紙は黒で中の紙は何故か外側が金色に塗られ、しかも角の部分はほどよくくたびれている」「当然ちびた鉛筆が背の部分に差してある」「余計な書き込みページがない」「一週間は日曜から始まる」「アドレス帳は別冊」という条件を満たしたものは一つも無かった。特に、週間スケジュールは殆どが月曜から始まるもので、これにはちょっとびっくりした。やばいやばい、世の中から浮いてるぞう。

 少しだけ考え、手帳を買うのはやめて、ノートに日付と線を自分で書き入れて使うことにした。




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